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キリスト山上の垂訓


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 はじめに(編集者の言葉)

 賀川豊彦セレクションをつくろうという議論が起きてから2年以上が経つ。当初は賀川豊彦ゆかりの東京、神戸、徳島など5つの記念館を中心に編纂委員会をつくったが、最終的に財団法人国際平和協会の仕事とさせてもらった。

 300冊以上の著作の中からどれを選ぶかは大変な作業だった。当初は小説や評論ばかり読んでいたが、セレクションでは賀川の宗教書も不可欠と思い、最初に選んだのがこの『キリスト山上の垂訓』である。

 読み進むうちにこれは宗教書ではないと気づいた。「幸いなる哉貧しき者」で始まる短い言葉は、賀川の解説によって、人生の深い意味が込められていることに気づくはずだ。僕は定年退職後、郷里の高知市に帰って母親の介護をしながら、繰り返しこの本を読んだ。母の介護によってすさんだ自分の心がどれほど癒やされたかしれない。

 この本は賀川がヨーロッパ旅行の帰り道にエルサレムに足を運んだ後に書かれた。イエスの暮らしたガリラヤの風景が克明に記され、ありありと目に浮かぶのは賀川の実体験に基づくものだからだ。

 賀川の著作が多くの人に読まれたのは、実はほとんどの作品が実体験に基づいているからである。賀川の実質的な処女作である『貧民心理の研究』は後に「差別書」として糺弾された。賀川自身も「再版はしない」と約束した作品であるが、当時、大都市周辺にあまた存在していたスラムの実態を人々に知らしめるために欠かれたものであったはずである。

 当たり前だった優生思想についても、今読むと踏み込みすぎと思われる描写が多いが、賀川にとって「小さき者」や「貧しき者」こそが真っ先に救済される人たちであった。イエスもまた同じ心境で「小さき者」や「貧しき者」に対応したものと信じられている。父なる神との心の対話の中に現れるイエスの教えこそ今、われわれが振り返らなければならないものが含まれている。

 賀川の『山上の垂訓』が読まれなければならない意味合いはそんなところにあるのだと思っている。この本に出会ったことは僕にとって幸せなことだった。たぶん、これからの読者も共感してくれるものだと思う。

 セレクションの最初の電子本の表紙装丁は初版のままとした。また、誤字脱字と思われる修正、送り仮名の統一の他は原文のままとし、宗教書であることからあえて旧仮名遣いを踏襲した。一部、今日的には社会的に不適切な表現もあるが、賀川が住んだスラムの当時の雰囲気を描写するには仕方がないと考え、そのままにした。ご理解をいただきたいと思う。(2013年12月13日、伴武澄)

目  次
第一章 九つの福祉(宗教序説)
 人間至高の行動基準/少數の弟子への教訓/神への昇り道
 無よりの出發―貧乏金持/無念無想の精神療法
 天國とは何處か?/辛味に秘めた甘味
 柔らかくして硬く飢えて飽くもの/外套の半分を乞食に
 神を見る法と神の子になる工夫/天國の運動の被迫害者
 宗教的福祉の網羅/「地を嗣ぐ者」についての瞑想
 「愛」の刻印運動
第二章 完成の道(歴史と道徳の頂點)
 塩と味―燈火は台の上に/律法と予言との完成
 「勝らずば」の高調/愛と殺人/分厘をも償はずば
 性道徳の完成/結婚制度と離婚問題/虚偽の問題
第三章 完全なるものヽ姿(隣人愛への進出)
 二里の道/神の如くならんとする意志
第四章 神との對座
 祈りの本質/祈りは迷であるか?/神の國運動
 パンと苦難について
第五章 野の百合の凝視
 宗教訓練と禁欲/搾取なき世界
第六章 社會生活の黄金律
 イエス語録 世評の桝目/「畜生」の問題
 求めて與へらるゝ世界/黄金律
第七章 人生表現と人生効果
 羊の姿の狼/薊と無花果/最後の一撃/天來の權威


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